アメリカ大統領選挙の投票が日本時間の午後8時から各州で順次開始されたのにあわせ、ツイッターでは「#トランプ大統領勝利」「#日本の準備は整いました」などという「ハッシュタグ」が使われた日本語のツイートが4万件以上投稿された。これらのハッシュタグはツイッター上で注目を集めている「トレンド」に入り、ユーザーからは不審がる声が相次いでいる。
「ハッシュタグ」は、ツイッター上で注目を集めるために用いられる機能。「ハッシュタグ」を使った投稿は検索されやすくなり、特定の運動を広げたり商品をPRしたりするのに効果的。注目が急激に集まると「トレンド」欄に表示され、注目されやすくなる。
投稿では「#ReturnOfTheUSA」「#トランプ大統領勝利」「#日本の準備は整いました」といったハッシュタグとともに、不自然な日本語でトランプ大統領への感謝の言葉や応援のメッセージが添えられている。これらの投稿の大半にはトランプ氏の選挙キャンペーンに使われたバナーに似た画像が添付されているが、今年の選挙であることを示す「2020」が「2Q2Q」に置き換えられたり、通常はペンス副大統領の名前が記される箇所に「KENNEDY」「JFK Jr.」という文字が記されたりしている。そのほか、添付画像のいたるところに「Q」の文字があしらわれている投稿もみられた。
ツイッターのユーザーからは「どっかの宗教が動員して一斉に書かせているのか」「トランプ氏を神のように崇めていてかなり怖い」などと不審がる声が続々と上がった。投稿で特徴的だった「Q」の文字がみられることから、トランプ氏を支持する陰謀論者「Qアノン」とよばれる勢力による投稿の可能性が濃厚だ。
投稿された画像の副大統領候補欄に書かれた「JFK Jr.」は、「Qアノン」が指導者として崇める「Q」の正体と考えられている故ジョン・F・ケネディ・ジュニア氏のこと。ケネディ元大統領の長男だったケネディJr.氏は1999年に死亡しているが、「Qアノン」では同氏は生きており「Q」になったと言い伝えられている。
「Qアノン」は事実に基づかない投稿をSNS上で拡散させているとして、ツイッターやユーチューブなど各社によって、「Qアノン」の主張を投稿したアカウントへの削除措置が講じられている。選挙日当日に日本語でこうした投稿がなされたことは、SNS各社の対策が不十分だったことを露呈させた。