「尊師」唐澤貴洋弁護士、まずは信仰を受け入れよ

宗教思想「恒心教」の精神的指導者として知られる唐澤貴洋弁護士(法律事務所クロス、第一東京弁護士会)のメディア、学界露出が最近になって相次いでいる。

10月21日のNHK「ニュースウォッチ9」出演を皮切りに、情報ネットワーク法学会第16回研究大会へ出席・登壇。きょう11月24日には山梨学院大学で講義を行ったという。この講義では事前に欠席・遅刻の禁止を担当教員が厳命するという徹底ぶりだ。

これまでも唐澤弁護士は何回か公の場に姿をあらわすことはあったが、ここ最近の活動は頻度、大胆さともに例を見ないものだ。これらの活動によって一気に写真や肉声、発言が流出し、恒心教徒たちは歓喜している。

だが、その一方で、唐澤弁護士に対して懐疑的な目を向ける教徒もいる。Twitterでは唐澤氏について「講演ビジネス味しめてるな 裁判には来ないが講演には来る」「もうIP開示も裁判も(唐澤貴洋)尊師には必要ない 講義と講演で信者増やしつつ金稼ぎしてればいい」「到底許されるべき行為ではないと思う」など、唐澤氏を批判する反応もあった。

唐澤弁護士は家族のコネを利用して法律事務所に就職した疑惑を問題視されたり、高級レジデンスに父親の税理士事務所と共同で事務所を構えたことなどが批判されたりしており、「親の庇護のもと甘やかされている」「上級国民」などと非難の声を浴びている。先に述べたテレビ出演や講演において、唐澤氏は自身の失態を発端とする「炎上」の経験についても話しており、騒動をネタにしてさらに金を儲け、本業の法律業をおろそかにする姿勢が非難の対象となっていると考えられる。

だが、より重視すべきは、一連の「炎上」について一切の釈明、反省をしていないことだ。

炎上の元凶となった元少年H(ハンドル名:八神太一)の弁護に失敗した挙句見捨てるような行動を取り、事務所の公式Twitterアカウントで無関係のジュニアアイドルをフォローしていた事についても一切の釈明をせずアカウントを非公開にし「逃亡」を図るばかりか、一切問題のない2ちゃんねるの書き込みについてもIPアドレス開示請求を行い、裁判においても敗訴を続けている。

あまりに常識の欠如した自身の行いによって信用をも失ったのにもかかわらず、一切の謝罪、弁明もしないどころか、ネット上での批判に対して法的措置を取り続けている。紆余曲折を経て唐澤氏が新興宗教思想「恒心教」の崇拝対象に祭り上げられた後も、信徒への嫌がらせ的とも言えるIP開示請求や訴訟を起こしている。要するに彼は「みそぎ」を済ませていないのだ。

恒心教は、信徒がすべての悪しき感情を唐澤貴洋へぶつけることで、争いや諍いのない優しい世界をつくろうとする思想だ。自分語りとなるが、筆者はかねてから唐澤氏に恒心教を受け入れることを求めてきた。恒心教の「尊師」として、優しい世界の実現に奔走していただくことが唐澤氏にとっての「みそぎ」となると考えている。

しかし唐澤氏は恒心教徒への弾圧を続け、自身は高級レジデンスでのうのうと業務を続け、騒動をネタにテレビや学界へ進出しようとしている。罪の償いを済ませていないのにもかかわらず、唐澤氏が社会に浸透していくのは許されるべきではないだろう。

さらに、唐澤氏がこうして露出を続けることにはもう一つ問題がある。あまりに出没頻度が多くなると、唐澤氏の偶像としての希少性が薄れ、教徒が唐澤氏への関心を次第に失っていくことだ。これは恒心教の崩壊をも意味しかねない。

唐澤弁護士の罪はまだ償われていない。唐澤氏は恒心教の信仰を受け入れねばならないし、同時に法曹関係者、ネットユーザー、恒心教徒は彼への関心を失うことなく、責任追及や信仰を続けていくことが必要なのではないか。