千葉県松戸市内の警察署と同市ご当地VTuber(バーチャルYouTuber)の戸定梨香(とじょう・りんか)さんがコラボした交通安全動画が、地方議員の「全国フェミニスト議員連盟」による抗議などをうけて削除された問題をめぐり、Coyu.Live所属のライバー(ライブ配信者)などでつくる全国ライブ配信協同組合準備会(AlisCoop全配信協、千葉県松戸市)は14日、同議連に対して戸定さんらへの謝罪などを求める要請書を提出しました。
AlisCoop全配信協は、ライバーによる事業協同組合「全国ライブ配信協同組合」の設立をめざす団体。上永顕理会長理事など複数のVTuberも所属しています。
戸定さんの交通安全動画をめぐっては、所属事務所のArt Stone Entertainmentが7月16日に松戸警察署、松戸東警察署と「交通事故防止啓発動画に関する協定書」に調印。同日から千葉県警のTwitterやYouTubeなどでコラボ動画が公開されていましたが、動画に出演する戸定さんの容姿が「性的で不適切」「女性蔑視」だなどとする抗議が寄せられたことを理由に、今月10日までの間に動画が非公開化されていたことがわかっています。
この取り組みに対して抗議をしていた、地方議員らでつくる「全国フェミニスト議員連盟」(前田佳子・増田薫共同代表、神奈川県藤沢市)が公式サイトで公開した抗議文について、戸定さんの所属事務所の板倉節子代表が9日、Twitterで反論したことでネット上では議論が沸騰。地方議員ら有志一同がよびかけている同議連に抗議するネット署名では、15日時点で3万5000人を超える署名者が集まっています。
AlisCoop全配信協が14日に提出した要請書では、同議連が「性的対象物」と指摘した戸定さんの容姿について、「同タレント(戸定さん)は、自身の希望する容姿およびパーソナリティを具有する、バーチャルな存在」だとして、「性的対象物として他人が構築したものではない」と反論。さらにVTuber活動を「本来の年齢や性別、容姿、疾病・障がいの有無、社会的地位等に束縛されないで自己決定権を行使することのできるもの」として高く評価し、こうした活動が若者世代に広がっていることを踏まえ、戸定さんと警察による取り組みの教育・健全育成効果を強調しました。そのうえで、「同タレントの容姿等を『性的対象物』などときめつけ、公共の場から排除することは、多様性を排除した『あるべき姿』の押し付けであり(中略)『固定観念と有害な慣行』をむしろ助長するもの」と強く非難しました。
要請書は、同議連が「目的とは逆の団体であると非難されるであろうことを深く懸念」するとして、議連に対し、戸定さんと所属事務所へ謝罪すること、VTuberなどバーチャル文化への理解を深めるべく勉強会等を実施することの二点を要請しています。
AlisCoop全配信協は、警察当局に対しても動画の再公開・戸定さんの再起用などを求めていくとともに、今後ウェブサイトを開設し設立の告知をおこない、組合への参加希望者などを対象とした講演会や勉強会などを開催していく方針です。
〈AlisCoop全配信協へのお問い合わせはメールアドレス coyu(@)tkm.club まで。
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